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『直江兼続』 その47

『兼続の晩年』

【高野山と米沢林泉寺に夫婦の墓が並ぶ】

1614年、大坂冬の陣に徳川大名として参加し、「上杉の雷筒」を披露している。

鴫野口で激戦し、今福口の佐竹勢に加勢しています。

また、翌年の大坂夏の陣にも参加し、7月12日に嫡子の平八景明が22歳で病没。

兼続は1619年10月に病を患い、12月19日に60歳で幕府から拝領した江戸鱗(うろこ)屋敷で没してい

ます。

直江兼続夫婦の墓(林泉寺) (林泉寺訪問記は「こちら」です。)
林泉寺 003

法名は「達三全智居士」。百回忌に英豼院殿を追諡されています。

葬送にあたり藩主・景勝は香典銀50枚を添え、将軍・秀忠も銀70枚を供えています。

高野山清浄心院の上杉墓地の西隣に遺骨が納められ、墓は米沢徳町徳昌寺(現長慶寺)に造られた。

なお、正室のお船の方は禄3千石を受けていましたが、1637年正月4日、81歳で兼続と同じように江戸

鱗屋敷で没し、遺骨は高野山の兼続の横に納められています。

長生きした彼女は、生母と早く死別した2代上杉家藩主・定勝の母代り、相談役として主家の安泰に力を注

いでいます。

現在、兼続夫婦の墓は米沢林泉寺境内にあります。




長い間、直江兼続にお付き合い戴きありがとうございました。

次の戦国武将は、四国の雄・長曾我部元親をとりあげてみたいと思います。



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pig 20150709




                                        <参考文献:実伝直江兼続(火坂雅志編)>
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『直江兼続』 その46

『現代人に示唆する兼続の誇り』 その5

【家臣への愛、深い教養(2)】

兼続の教養は、凡百の大名たちのおよびもつかないような水準を示していたといいます。

彼は漢詩の達人で藤原惶窩(せいか)(林羅山の師)に伝授を受けてたくさんの詩をつくっています。

直江兼続(1560-1619年)
na.直江兼継 001

また、古代中国の有名な詩集「文選」を、木版に彫らせて復刻し、ひろく出版したことは当時の文化人の注目

を集めています。

その後も、多くの本を集め、後世に伝えたので

「直江山城守のおかげで、後世の儒人が大いに学業の便を得ている」

と感謝されています。

このように直江兼続の魅力は、気骨・勇気・決断力・行動力など、さまざまな要素の積み重ねによって生まれ

ていたのです。

しかし、その根幹には武士として、男として貫き通した誇りがあり、兼続が示した「誇り」が多くの人を魅了した

といっていいのでしょう。



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昨日は、さくらの誕生日にたくさんのメッセージを戴きありがとうございました。

長いあいだお付き合い戴きました、直江兼続も次回が最終回になります。 次の戦国武将を選定中ですが

西国の武将にスポットを当ててみたいと思っています。

pig 20150708



                                       <参考文献:実伝直江兼続(火坂雅志編)>

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『直江兼続』 その45

『現代人に示唆する兼続の誇り』 その4

【家臣への愛、深い教養(1)】

直江兼続が戦場でかぶる兜の前立は「愛」の一文字です。

この前立ては、現在上杉神社内で保存されています。

yo.米沢城 015

人を殺し合う戦場でかぶる兜に「愛」の字を掲げるのは、よほど彼に考えがあってのことでしょう。

この前立については「愛宕の愛」からとする説が有力ですが、「人を愛するがゆえに、敵を殺すのだ」という思い

があっても不思議ではありませ。

彼は米沢30万石に減封されたとき、兼続は主君・景勝にこう頼んでいます。

「領地の大削減を受けたからといって、ひとりでも家臣を召し放つようなことはなさらないでいただきたい。責任

はわたしが負います。全員いままでどおり召し抱いておいていただきたい。給与は農業振興によって生みまし

ょう」

景勝は兼続の気迫に打たれて承知したという。

また、石田三成の遺児が密かに米沢に逃れてきた。

家臣のなかには

「かくまうと、徳川殿の気を悪くする」

とビビった者もいたが、兼続は

「石田三成殿はおれと義兄弟の盟約を結んだ人物だ。その遺児が匿(かくまう)うのは武士の義である」

といって、城下の一角に住居を与え、商人として生計の道を開かせた。

さらに大坂の陣の後、身の置き所がなくなった豊臣家の遺臣たちも、ひそかに米沢城下に匿い続けたと

いう。



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pig 20150618



                                        <参考文献:実伝直江兼続(火坂雅志編)>

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『直江兼続』 その44

『現代人に示唆する兼続の誇り』 その3

【生き残ったときの決断と行動(2)】

上杉家が米沢30万石になると、兼続の決断と行動は、それまでの兼続の生き方を180度転換させること

になります。

米沢城 (米沢城登城記は「こちら」です。)
yo.米沢城 003

兼続は先ず、今まで「合戦本位」に生きてきた上杉家の経営方針を

「平和国家内でどう生きるか」

に大きくギアチェンジします。

それは領国内の産業振興すなわち農業振興に力点を置いたのです。

「四季農戒書」という農業指導書を残していますが、ユーモアに富んで農業に専念する農民を励ます面白

い本です。

「田植えの季節には、女たちは赤い腰巻を身に着け、顔に白粉を塗って美しく化粧しろ。そして弁当を持っ

て、田で働く男たちを励ましてやれ。ときには、着物の裾を持ち上げ赤い腰巻をみせろ。そうすれば、亭主

だけでなくよその男までチラチラ盗み見て、いっそうやる気になる」

などと書いています。

また

「農事が忙しい時期に、自分の家から出ずに旅の行商人を引っ張り込んでいるような女性がいれば、それ

は必ず不倫を働いている証拠だ。こらしめろ」

おそらく当時の農民たちはこの本を読みきかせられて、みんな笑い声をあげながらやる気をだしていたの

でしょう。



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pig 20150705



                                     <参考文献:実伝直江兼続(火坂雅志編)>

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『直江兼続』 その43

『現代人に示唆する兼続の誇り』 その3

【生き残ったときの決断と行動(1)】

関ヶ原合戦で徳川家康が大勝したという報告が入ったとき

「もはやこと終われり」

と決断して、軍を返す。

このとき兼続は自ら殿(しんがり)を勤めている。

天地人の兼続(妻夫木さん)
na.直江兼継(妻夫木さん)

兼続にすれば、今度の攻略はすべて自分に責任があり、「この際、死に場所を得よう」と考えてのことだっ

たのでしょう。

しかし、無事に会津に戻ったのです。

戦後処理が行われ、上杉景勝は領地を全部没収された。

この時、兼続は家康に懇願したのだという。

・自分の領地米沢30万石は、故関白殿下(秀吉)から頂戴したものであるが、この際これも返上する。

・しかし、返上する米沢30万石は改めて主人・上杉景勝に与えていただきたい。

というものです。

家康はこれを承知した。

直江兼続は豊臣秀吉から特別な扱いを受けていたのです。

大名の家老と言う陪臣でありながら、秀吉は兼続に羽柴あるいは豊臣の姓を名乗ることを許し、景勝とは

別枠で30万石を与えていたのです。

家康はそのいきさつを知っていたし、また

「この際、直江兼続を罰すると、ほかにも同じような不満分子がでる」

とタヌキ親父ぶりを発揮し、兼続の願いを入れたのでしょう。

上杉景勝は、いってみれば倒産会社の社長であって、関連会社のところに転がりこんだようなものです。

兼続に

「おぬしに5万石あたえる」

と景勝がいうのを辞退し、わずか5千石程度で残りを全部返上し、ほかの家臣たちの給与にまわしてい

ます。




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pig 20150702



                                     <参考文献:実伝直江兼続(火坂雅志編)>

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平成26年6月30日に100城を制覇しました!

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*参考文献:日本100名城公式ガイドブック、Wikipedia



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