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蒲生氏郷 その38

『岩石城攻城』

明けて4月1日。

戦いは早朝から始まった。

岩石城
ga.岩石城

氏郷は大手口から、前田利長はからめ手から攻めかかった。

氏郷は麓にある3つの砦があるのを即時に乗っ取り、息もつかず攻め上がった。

城中からはさかんに鉄砲を撃ちだす。

秀吉は柞原山の上から、諸勢に鬨の声を上げさせ、金の千成瓢の馬印を打ちふらせ、声援する。

蒲生勢はついに城の木戸際まで攻め上がった。

敵は必死に防戦する。

すさまじい戦闘になった。

「その木戸、乗り越えい! それ行け! エイヤ、エイヤ・・・」

氏郷は声をかぎりに絶叫し、叱咤した。



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robin 20220531-1




<参考文献:海音寺潮五郎(武将列伝)>
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蒲生氏郷 その37

『討死の覚悟で』

秀吉の許可が出たので、氏郷は大いに喜び、秀吉の言葉を家臣らに告げ

「皆々討死の覚悟で働いてくれい」

と、下知した。

豊臣秀吉(1537-1598年)
to.豊臣秀吉 001

「家中の者どもひしひしと用意す」

と、氏郷記は叙述しています。

秀吉は重ねて命令を下した。

「城中の人数ことのほかに多いとのことなれば、氏郷の人数だけでは不足であろう。前田利長・羽柴

秀勝・石川数正をして加勢させる。おれも明日は早朝から後詰して柞原山に本陣をすえ、見物してい

るぞ。よく働け」

秀吉が桟敷から見物している。

最も晴れがましい城攻めになったわけです。



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robin 20220530




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蒲生氏郷 その36

『攻めあぐんだら切腹』

町野は秀吉の本陣へ行き、牧野兵部大輔・戸田三郎四郎をとり次として、氏郷に言われたとおり願い

出た。

蒲生氏郷像(滋賀県日野町)
ga.蒲生氏郷像 滋賀県日野町

すると、秀吉は

「岩石は聞こゆる名城であるうえ、武勇すぐれた者どもが数人大将として籠っている。もし攻めあぐ

むようなことがあっては、影響するところが大きい。もちろん攻め落とせばよい影響のあることはわ

かっているが、冒険に過ぎる。先ずはやめにせい」

とて、許さなかった。

氏郷は左近の復命を聞き、また左近を遣わして

「必ず易々と攻落し申すべし」

と言わせたが、秀吉はやはり許さない。

氏郷は三度、乞うた。

ついに秀吉は承知して

「さほどまで申すならば許そう。もし、攻めあぐみたらば切腹つかまつれ」

このへん秀吉の機略の存するところでしょう。

秀吉ほどの人だから、氏郷の口上を聞いて、やってられないことはないと悟ったのでしょうが、ひ

と通りのことでは成功おぼつかないと見て、氏郷を激させようとしてなかなか許可しないでおいて、

最後に許し、こんな言葉を添えたのでしょう。



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robin 20220529




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蒲生氏郷 その35

『岩石城の攻撃を乞う』

氏郷は布施次郎衛門・土田久介というさらに心得のある武士を選んで、しかじかである故、念を入れ

て見てくるよう、と命じてつかわした。

2人は出て行ったが、帰ってきて、

「飯粒以外は特別なことは見当たり申さず、いつ退いたかわかりません」

と報告する。

岩石城
ga.岩石城 02

氏郷は3度、人を遣わす。

今度は蒲生四郎兵衛をつかわした。

氏郷が姓を与えて重役にしているほどの武士です。

なぜ氏郷がこうまで念を入れたかというと、この城の攻撃を秀吉に乞う決心でいたからです。

「かしこまりました」

四郎兵衛は出て行ったが、帰って来て

「岩石城の麓の在所の者どもは10日以前に立ち退きました」

とはっきりと言った。

「ほう、その理由は?」

「路面に足跡が見えませんが、これは雨のために消えたのであると判断します。雨は10日前に降っ

ただけで、その後は天気続きでござる。すなわち10日以前に立ち退いたこと疑いないと存じます」

「よく見た」

氏郷は感心し、家老の町野左近を呼び

「その方関白殿下のご本陣へまいり、岩石城は攻め落とし得べき体に見えますれば、攻撃お許しくだ

さるようと、お願いしてまいれ」

と命じた。



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robin 20220528




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蒲生氏郷 その34

『気性の烈しい氏郷』

岩石城の抑えを命ぜられたのは、前田利家の子・前田利長、秀吉の養子・羽柴秀勝(信長の実子)、

それと氏郷であった。

前田利長(1562-1614年)
ma.前田利長 002

氏郷は気性の烈しい人です。

秀吉軍の主力が秋月城攻めにどんどん進軍して行くのに、あとに残って城の抑えなどしているのが

無念でならない。

岩石城を攻め落してやろうと思った。

そこで先ず偵察にかかり、もの慣れた武者2人に、岩石の山の麓一帯をよく見てまいれ、どうやら

俺の目には麓の在所には人がいないように見ゆる。

と命じた。

「かしこまりました」

2人は出かけて行ったが、やがて帰って来た。

「仰せのとおりひとりもいません。在所の家々に立ち退く際に食したと思わるる飯のかけらなど散

らばっていましたが、すべてカチカチにからびております。よほど前に立ち退いたと思われます」

「いつ頃じゃと思うか」

「さあ、それは・・・」

と顔を見合わせるばかりであった。



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robin 20220527




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蒲生氏郷 その33

『盤石な攻め』

秀吉は両城の地形を見て、岩石城にはおさえの兵をおいて、先ず秋月城を攻めることにした。

岩石城は天然の要害に位置しているうえに、ここに籠っている熊谷越中守久重と芥川六兵衛というの

がなかなかの豪傑であり、兵も3千いるという。

岩石城(添田町まちづくり課編『岩石者(がんじゃくもん)』より)
ga.岩石城

親征の第一歩に攻めあぐむようなことがあっては、去年の先発隊の失敗があるだけに、関白軍の権威

に関する。

「上方へのへろへろ武士どもが相手じゃけん、あぎゃん勝たしゃたとばい。九州にござってはまるで

ザマなかと。いっちょんおそろしゅうなかばい。こぎゃん風じゃ薩摩征伐も怪しかもんたい」

と、言い出さないものでもないし、島津に心を通ずる者が出ないものでもないし、そうなれば戦局も

はかばかしく進まないであろうし、それはやがて中央や東国の形勢にも影響して来るであろうから、

秀吉としては大事を踏む必要があった。



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robin 20220526




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蒲生氏郷 その32

『秀吉の親征』

秀吉は翌年春、親征の途につき、3月25日に赤間関についた。

秀吉が九州に着いた時、北九州に出張っていた島津勢は、北九州を去って薩摩・大隅・日向の南半

に引き上げてしまっていた。

秋月城
ak.秋月城

島津に征服されて間のない北九州の諸豪が、秀吉が来ると聞いて、安心ならない様子を見せ始めた

ので、本国で戦うのが有利と見たのでしょう。

ところが、この北九州に2つだけ島津方の城があった。

ひとつは筑前の秋月城であり、ひとつは豊前の巌石城です。

両城とも秋月の秋月種実の持城です。

島津氏に対してなにか特別な義理か友愛があったのでしょう。

争って秀吉に降伏を申し送る北九州の諸豪の中で、ただひとり反抗の色を見せ、両城を堅固に守っ

ていた。



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robin 20220525




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平成26年6月30日に100城を制覇しました!

城郭ライトアップの撮影にチャレンジします。


「日本百名城塗りつぶし同好会」にも参加しています。

会員番号:908です。

日本百名城塗りつぶし同好会

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*参考文献:日本100名城公式ガイドブック、Wikipedia



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20140816 郡上おどり 002-1
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