前田利家 その53 『利長、還暦』

『加賀百万石の礎を築いた前田利家』

【利長、還暦】

1598年の元旦を利家は伏見の前田邸において迎えた。

60歳、いわゆる還暦です。

戦国兵乱の激動時代のこと、

“よくぞ生きたものよ!”

というのが利家自身の実感であった。

今は身辺になんの不安も不足もなく、まずは恵まれた環境のめでたい春であった。いつ嫡男・利長に家督

を譲ってもいいところである。

しかし利家は、老骨に鞭打ってしなければならないことあった。

太閤の老いと衰えを切実に感じれば感じるほど、その分だけ太閤の側にいる自分は老いてはならないと、

利家は思っていた。使命感に似た自覚です。

そんな正月のある日、秀吉は利家の顔を見ると、

「春に醍醐で花見の宴を張るが、大納言も来るか」

と言った。

秀吉はかねてから醍醐の三宝院の景趣を愛好し、しばしば訪れて境内や道路を整備し、河内・大和・近江・

山城の4ヶ国から桜の木を移植させたりしていた。

「お供します」

利家は言った。

秀吉の派手好み、豪遊趣味は、1587年の北野天満宮で催しされた大茶会でもわかるとおり、自他とも認

めるところであった。

いまや外征の大難事を遂行しながら、いっぽう国内でも方広寺の建造や大仏殿の建立、京都の新邸築造

と大土木を続行しつつ、さらに秀吉がいかなる花見を計画しているのか、その「狂」の一面を、利家はとこ

とん見極めたかった。

自分がまだ理解していない老権力者の深淵を除いてみたいという気持ちであった。


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