前田慶次郎 その14 「松風を盗取」

戦国風流武士 「前田慶次郎」 その14

「松風を盗取」

最初の報告が来た。

「ただいまお城をお出ましでございます」

「馬に乗っているか」

「松風にお召しでございます」

「よしよし」

慶次郎は時刻を計って門に出迎えた。空はまだ暗いが雪で地上は明るい。

「これはこれは、この寒さにお早やばやと」

慶次郎は松風の口を取っている仲間にかわって、自ら口綱をとって玄関に導いた。

前田利家(1538-1599年)
ma.前田利家(兼六園)

慶次郎は待合の利家の前に帰ってきた。

「お寒うございましたろう」

「寒かった。年だな」

「風呂を沸かしておきましたから、お温まりください」

夏は涼しく、冬は暖かに、というのが茶の湯の本則です。寒い日に客に入浴をさせるのは、茶の湯では普通

のこととなっている。

「ご案内いたします」

手燭に灯りを移して、暗い廊下を湯殿に連れていった。

「加減をみます」

「おじ上は熱加減の風呂が好みでしたな。丁度良いようでございます」

利家は、ゆっくりと湯槽の傍にしゃがみ、寸時の後の入浴の快さを予想しながら、手拭を湿しにかかったが、

その湯は普通と違っていた。

「あ!これは水だ!」

という判断がきて、頭のてっぺんから突き抜けるような驚きとなった。

同時に

「なぜ水を?」

という疑問が、いたずらばかりする慶次郎の性格に結びついていた。

「おのれ!」

と反射的に立ち上がったが、途端に強い力で足元をすくわれ、上体が前にのめったかと思うと、夜一夜汲み

置いて、雪の寒夜、冷やしに冷やした寒中に、まっさかさまに叩き込まれた。

「おのれ、しれ者!」

烈火の怒りをもって絶叫した。

湯槽を躍り出し、捕まえようとしたが、慶次郎はもうそこにはいなかった。

湯殿の外に飛び出し、烈しく戸を閉め、爆発するような口笑を送りながら冷やかした。

「年寄りの冷や水はいかが?」

「ばかめ!開けろ!」

じだんだ踏んで、破れよと戸をたたくと、また笑って、

「慶次郎は深山の鷹、網を破って九天の上に翔り去ります。御乗馬をいただいて行きますが、これは暫く腹黒

い策略に騙されていた。騙され代と思し召していただきましょう」

といって、風のように駆け去った。


あまりにも有名な話ですから、史実だと信じたいですね!

pig 20120816 001

ランキングに参加しています
にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へ
にほんブログ村

いつも応援ありがとうございます。

『戦国クイズ』

≪昨日の解答≫
昨日の正解:松風を盗んだ
これは、今日の記事ですね。
慶次郎は、利家の愛馬・松風に乗って、前田家を出奔しています。

≪本日の問題≫


                            <参考文献:戦国風流武士 前田慶次郎(海音寺潮五郎暑)>
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 歴史雑学
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

piglet01

Author:piglet01
Piglet01のブログへようこそ!!


平成26年6月30日に100城を制覇しました!

城郭ライトアップの撮影にチャレンジします。


「日本百名城塗りつぶし同好会」にも参加しています。

会員番号:908です。

日本百名城塗りつぶし同好会

パーソナルURLは、「リンク」の「日本百名城塗りつぶし同好会」からお願いします。


*参考文献:日本100名城公式ガイドブック、Wikipedia



ランキングに参加しています

人気ブログランキングへ







20140816 郡上おどり 002-1
I LOVE 郡上おどり













最新記事
カテゴリ
FC2カウンター
リンク
月別アーカイブ