『秀吉の大陸進出の野望』 その50

『恐怖のあまり死んだ?』

「どうなされた?」

と、中富兵馬はとがめた。

「いや、何でもありません」

漢城府
ka.漢城

中富としては、そうでござるかでは済まされない。鋭く言った。

「何でもないということはござるまい。包まずに言われよ」

「・・・申すも恥ずかしいことです。李徳馨殿とともに使を受け賜った一人の大官が、恐怖のあまりに死んで

しまったのです」

中富は相槌も打てない。はてさてと呆れるばかりであった。

「そこで?」

「李徳馨殿は歯がみして憤られましたが仕方ありません。

『ままよ、2人で参ろうまでのこと』

と、黄州を立ち出で、開城まで参りましたところ、はや日本軍は京城に入っていることがわかりました。

李徳馨殿は

『陛下がわしにこの使を命ぜられたのは、京城の向こうで日本軍を停止させ、講和の相談をなさりたいた

めであったのに、こうなってはそれは叶わぬことになった。日本軍は真に講和の意志があるのかどうか、

疑わしくもある。その方ひとりで行って、小西殿に会って、よく問いただして参れ』

と仰せられたのでございます。

そこで、わたくし、ただひとり、こうして参ったのでございますが、恥ずかしながら貴下に捕らえられたので

ございます。」

中富は小西に和平工作を勝手にしてよい権限が許されてあるかどうか、もちろん知らない。

しかし、景応舜が言うことは筋道が立っている。まんざらウソではあるまいと思った。

「ともかくも、貴殿を本営にお連れする。貴殿を小西殿のもとに引き渡すかどうかは、本営で決めるでござ

る。わしには権限のないことでござる故な」

と言うと、景応舜はうなずいたが、中富の目には何となく落ちつきを失ったように見えた。

目つきに落ちつきがなくなり、顔に卑屈な表情が浮かんできたように思われたので、念を押した。

「貴殿がおとなしくしておられる限り、われわれは決して手荒なことはいたさぬ。軍使の礼をもって待遇しま

す。

しかし、我儘なこと、たとえば逃走など企てなさるようなことがあれば、決して容赦しませんぞ。お含みおき

あれ」

「わかりました。わかりました」

相手は幾度も頷いた。




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いつもありがとうございます。



pig 20151103


                                     <参考文献:加藤清正(海音寺潮五郎薯)>
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No title

こんにちは。お邪魔します。
お風邪大丈夫ですか? 本当に急に温度が下がりましたね。
どうぞお大事になさって下さいませ。

No title

こんばんは。
風邪を引いたんですか
風邪は万病の元と言うので、お大事にして下さいね。

おきまちあき さま

おきまちあきさん、こんにちは。

ありがとうございます。
急に寒くなった日に薄着で過ごしてしまったのが、原因のようです><
熱は出なかったので、普通に生活ができています♪

あず さま

あずさん、こんばんわ~。

高知は寒くないですかぁ~。
先日、12月下旬の気温だったという日に薄着で過ごして
しまったのが、よくなかったです><

> 風邪は万病の元と言うので、お大事にして下さいね。

ですね。
もう、お陰さまで体調もほぼ戻りました。
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