『秀吉の大陸進出の野望』 その53

『ゆずらない清正』

小西は惜しさがこみ上げ、腹が立ち、激しい調子で言った。

「この者は、この戦を和議にまとめ上げるために最も大切な人物でござった。それを貴殿の兵はむざむざと

殺したのですぞ、ああ、何たること!」

加藤清正(1562-1611年)
ka.加藤清正

こんな調子で言われて、清正も腹を立てたが、抑える。

「誤解なさらないでいただきたい。これはことさらに殺したのではなく、逃走を企てた故、止むを得ず殺したの

です。」

「それでも、殺してしまわれた。最も重要な人物であったのに」

「殺したことは否定はいたさぬ。だからこそ、こうして参っている」

と、言っておいてひらきなおった。

「貴殿は和議と仰せられるが、その権限が殿下からいただいて来ておられるのでござるか」

清正の調子は鋭かった。

小西はかわす。

「およそ和議のない戦はござらぬ。戦は必ず和議で終わるものでござる。それはお認めになりましょうな」

小西の言うことは正しい。しかし、それは一般論のことで、狡猾な論者が特別を一般論にすりかえるのは常

套手段である。

そんな細やかなことは、もちろん清正は考えない。ただ、小西の態度にごまかしを感じたのです。

大きな目を見開き、にらむように見て言った。

「拙者は、貴殿が殿下から和議の権限をいただいて来ておられるのかどうかを伺っています。ご返答願いた

い」

誠実な人間がひとつを守ってひた押しに押してくる議論には、どんな巧妙な論客も敵するものでないのです。



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土曜日は暖かかったので近所を散歩しましたが、はじめての場所で不安げな顔をしています。
pig 20151108


                                     <参考文献:加藤清正(海音寺潮五郎薯)>
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