『秀吉の大陸進出の野望』 その109

『地震加藤』

奥殿であるというところは、全部建物が倒壊して、苦痛の叫びとうめきとが方々から聞こえた。

その殆んど全部が女の声であった。

伏見城 (伏見城登城記は「こちら」です。)
fu.伏見城 003

庭の奥に幕舎が見えた。門番の伊藤が言った秀吉の避難場所に相違ないとみて、清正はそこから10間

手前の大地に座り、声を張り上げた。

「どなたかお側の衆にまで申上げます。これは加藤肥後守清正でござる。謹慎中の身ながら、この大事変

なるによって、殿下のご身辺を案じ申して、駆けつけて参りました。お取次ぎくだされい!」

秀吉は、幕の内側に屏風を立て敷皮をしき、捨丸を抱いた女中を座らせ、その両脇に淀君とひかえていた。

側近にいるのは全部女中で、男はわずか数人が、幕際にいるだけであった。

その幕際にいる男の一人が、清正の声を聞きつけ、幕をくぐって出てきた。

「加藤肥後守でござる。虎之助でござる。お知りの通りの身の上ながら、心配のあまり参上いたしました」

と、清正はまた言った。

「なに?お虎が来たと?一番の着到だぞ。でかした。これへ呼べ」

よ、言った。

元来の大音を、さらに声を張っていた。

この大変事に驚き恐れている女中らを力づけるためであった。

その秀吉の声は、清正のところまで朗々と響いた。

少年の頃から聞きなれている。豪放で、闊達で、人の心を明るくする、あの声である。

清正は、導かれて幕内に入り、秀吉の前に平伏した。



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sakura 20160308



                                 <参考文献:加藤清正(海音寺潮五郎薯)>
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