『秀吉の大陸進出の野望』 その113

『無常の忠誠』

和談のことは、すべて小西に任せてある。その方などがどうしてその内容を知ることが出来るものか、わし

は信ぜんぞ」

本妙寺の清正像 (本妙寺訪問記は「こちら」です。)
ka.加藤清正本妙寺像

「先ずしばらくお聞きいただきたくお願い申上げます。小西は、和談は明国側から希望し、明の朝廷すべて

の嘆願であると申している由でございますが、実際はそうではございません。明の朝廷内部ではずいぶん

有力な反対があるのでございます。また朝鮮は国王以下全部反対なのでございます。その明軍中の反対

派の将軍と朝鮮側の者とから、拙者は小西と沈惟敬との和議の条目を詳しく聞いたのでございます。それ

故に7ヵ条全部にそむいていることを知ったのでございます」

「そちは容易ならんことを言う。わしが欺かれていると申すのか」

この問いには直接に答えず、別の方から説明する。

「この和談は、そもそもはじめから瞞着から出ています。今申した全明朝の意志、全朝鮮朝廷の意思である

と申上げているのがそれでございます。これは小西が沈惟敬に騙されているのか、沈惟敬と小西が相談の

うえで殿下をお騙し申上げているか、それはわかりませんが、いつわりであることは確かでございます。ある

いはまた、沈惟敬は明の朝廷を、和議は殿下が切望されていることであると、欺いているのかも知れません」

拙者に、小西らの和談の内容を知らせてくれたのは、明の一将軍の使者として拙者の陣中にまいった朝鮮

の名僧・松雲と申す者でございますが、沈惟敬は明の朝廷に対しては、殿下から和議を申し込まれたと言っ

ていると告げました。僧とはいえ、敵国の者でございますから迂闊に信ずべきではございませんが、このこと

に限って申せば、最もありそうなことと思ってよいかと存じます。

このように、その最初から虚偽の上に進められている和談です。7ヵ条目を無視するようになるのは、最も当

然のことでございます。これを知りながら黙過することができましょうか」

清正はきびしい覚悟を決めている。

すでに自分の潔白が明らかになり、またこうして殿下の御前に出て事情を申上げることが出来るようになった

以上、洗いざらい申上げるべきである。それが日本のためであり、殿下に対する無常の忠誠である。

たとえ怒りに触れ、死に処せられようと、少しも顧みるべきでないと、かたく決心していたのでしょう。



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pig 20160315




                                    <参考文献:加藤清正(海音寺潮五郎薯)>
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