真田丸 その23

『信繁は知名度が低い』

信繁が大坂城入城の交渉を受けた頃の話しとして、こんな逸話があります。

大坂城内の大野修理の屋敷へ、一人の山伏が訪問してきた。

「拙者は大峯の山伏にて、伝心月叟(げつそう)と申すものでござるが、かねてご依頼の御祈祷の

ことにて参上いたしました。何卒お取次ぎ願いたい」と、いんぎんに言う。

取り次ぎの侍は、

「主人は不在である。しかし、こちらでお待ちになるがよい」

と番所の脇に呼び入れて席を与えた。

真田信繁
sa.真田幸村 002

番所には若い侍が10人ばかりいて、退屈しのぎに、お互いの刀と脇差の鑑定をしていたが、ふと

一人が山伏の刀に目を付けて

「和僧も差してござるな。見せられよ」と所望した。

「いやいや、これはほんの犬おどしの為のものでござれば、とてもお目にかけるようなものではご

ざらなぬ」

と辞退したが、ぜひと所望してやまない。

「それでは」

やむなしに、両刀を差し出した。

若侍は受取って、先ずは刀の方をするりと抜いて見て驚いた。どうせ山伏風情の差料だ、錆びてい

なければよい方という気持ちだったのだが、姿といい、金色といい、地肌といい、刃の匂いといい、

たとえようのないほどだ。

「見事なものじゃわ」

と皆に見せると、皆が感嘆してどよめいた。

次に脇差を抜いて見ると、これもまた劣らず見事なもの。

「中子を見たい。見てよろしいか」

と外してみると、刀は正宗(村正の説もあり)、脇差は定宗とあったので、皆々、この山伏はただ

人ではないぞと、恐縮しているところに、修理が帰宅してきた。

「山伏どの、主人が帰ってまいりました。玄関にてお目見えされよ」

と取り次ぎの侍が連れ出た。

修理は一目見て、驚いた顔になり

「これはこれは」

と山伏の前に手をついてかしこまり、

「近日お越しあるべしとは承っていましたが、早速のおいで満足でござる」

と挨拶し、書院に導いて丁寧に饗応し、城に知らせを走らせると、速水甲斐守が秀頼の使者として

来て、

「遠方早速にまいられ、満足に思し召さる。これはお支度のため」

と言って、黄金2百枚、銀30貫目を与えた。

修理の家の若侍らは、この山伏が真田信繁であることを知ってさらに驚いたが、その後、信繁がそ

の若侍らに会ったとき、

「いかが、刀の目利きは上がったのか」

と言ったので、みなは赤面したという。




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pig 20160618


                     <参考文献:武将列伝(海音寺潮五郎薯)>

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