真田丸 その31
『大坂城内の葛藤』
いよいよ籠城と決まって、それぞれの持場をクジ引きで取り決めた。
そのクジ取奉行は大野治長・渡辺内蔵介・北川次郎兵衛がつとめ、概ねきまったで、大野治長が、
「大手の黒門30間は、わしが持口にして貰いたい」
というと、渡辺内蔵介は怒って、
「黒門はわしの持場だ、我が侭なことを言うてもうろうまい」
と荒々しく言い返した。
豊臣大坂城

売り言葉に買い言葉で、治長も言う。
激しい論争になったので、北川次郎兵衛は両人に間に割って入り、
「治長は口を利くな。内蔵介は無法だぞ」
ととめおいて
「この分では両人とも刺し違えねば収まるまいが、俺はどうなる。あの両人はしかじかの次第で刺
し違えて死に申したというて、おれが御前へ帰られるか。あくまでやるというなら、先ずおれを討ち
果たしてからにさっしゃれ」
と怒鳴りつけたが、治長は収まらず、
「内蔵介が申すところに理があるなら、おれを斬れい、おれは決して敵対せずぞ」
と言い張り、内蔵介また激し上がり、今にもこと起きそうであった。
次郎兵衛は、
「今どんな時と思うているか、犬の子でも人間として使いたい程の時じゃぞ。よい侍が3人犬死して
よいものか」
と泣き出して訓戒して、やっと事が収まったという。
上押しになる人物がいないため、まるで無統制になっている大坂城中のことが良く分かる話しです。
大野治長はまんざらのアホではなく、いくらかの才気はあった人物でしょうが、こんな人物が上位に
座ると、かえって害悪をなすものです。
老巧な人の言うことを聞かず、自分を立てようとするからです。
ランキングに参加しています

いつもありがとうございます。

<参考文献:武将列伝(海音寺潮五郎薯)>
いよいよ籠城と決まって、それぞれの持場をクジ引きで取り決めた。
そのクジ取奉行は大野治長・渡辺内蔵介・北川次郎兵衛がつとめ、概ねきまったで、大野治長が、
「大手の黒門30間は、わしが持口にして貰いたい」
というと、渡辺内蔵介は怒って、
「黒門はわしの持場だ、我が侭なことを言うてもうろうまい」
と荒々しく言い返した。
豊臣大坂城

売り言葉に買い言葉で、治長も言う。
激しい論争になったので、北川次郎兵衛は両人に間に割って入り、
「治長は口を利くな。内蔵介は無法だぞ」
ととめおいて
「この分では両人とも刺し違えねば収まるまいが、俺はどうなる。あの両人はしかじかの次第で刺
し違えて死に申したというて、おれが御前へ帰られるか。あくまでやるというなら、先ずおれを討ち
果たしてからにさっしゃれ」
と怒鳴りつけたが、治長は収まらず、
「内蔵介が申すところに理があるなら、おれを斬れい、おれは決して敵対せずぞ」
と言い張り、内蔵介また激し上がり、今にもこと起きそうであった。
次郎兵衛は、
「今どんな時と思うているか、犬の子でも人間として使いたい程の時じゃぞ。よい侍が3人犬死して
よいものか」
と泣き出して訓戒して、やっと事が収まったという。
上押しになる人物がいないため、まるで無統制になっている大坂城中のことが良く分かる話しです。
大野治長はまんざらのアホではなく、いくらかの才気はあった人物でしょうが、こんな人物が上位に
座ると、かえって害悪をなすものです。
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