明智光秀 season2 その21
『桂川を渡る』
京都盆地との境になっている老ノ坂を越えて沓掛の在所について、全軍休憩をとって食事をしている
時、光秀は勇士・天野源右護門を呼び出した。
桂川

「汝は先発して行くよう。ひょっとして、味方の軍勢の中から駆け抜けて、本能寺に注進に走る者が
あるかも知れぬ故、そのような者があったら、討捨てにせい」
「かしこまる」
源右護門は手勢を引き連れて、馬を早めて先駆した。
源右護門が一議に及ばず合天しているところから、5人の老臣以外に源右護門には打ち明けていた
のか、それとも高級将校だけには老臣から耳打ちしていたのでしょう。
間もなく全軍また行軍にかかり、桂川についた。
軍令が下る。
「馬の沓(くつ)を切り捨てよ。徒歩の者は新しいわらじか新しい足半(あしなか)にはきかえよ。
鉄砲の者は火縄を1尺5寸(約50cm)に切って5本持ち、それぞれに火を点じて逆さまに下げよ」
これは合戦直前の指令です。
その辺に敵がいると聞いてはいないから、皆不審に思ったことでしょう。
桂川を渡って、また命令が下る。
「今日から殿様が天下様におなりになることになった。下々草履とり以下に至るまで勇みよろこべい。
侍どもは十分に働いてくれるよう頼むぞ。もし本人討死の節は、兄弟や子ある者は必ずそれに跡目を
立てさせて遣わす。しっかりと働けい。身を立つべき好機会であるぞ!」
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いつもありがとうございます。

<参考文献:武将列伝(海音寺潮五郎)>
京都盆地との境になっている老ノ坂を越えて沓掛の在所について、全軍休憩をとって食事をしている
時、光秀は勇士・天野源右護門を呼び出した。
桂川

「汝は先発して行くよう。ひょっとして、味方の軍勢の中から駆け抜けて、本能寺に注進に走る者が
あるかも知れぬ故、そのような者があったら、討捨てにせい」
「かしこまる」
源右護門は手勢を引き連れて、馬を早めて先駆した。
源右護門が一議に及ばず合天しているところから、5人の老臣以外に源右護門には打ち明けていた
のか、それとも高級将校だけには老臣から耳打ちしていたのでしょう。
間もなく全軍また行軍にかかり、桂川についた。
軍令が下る。
「馬の沓(くつ)を切り捨てよ。徒歩の者は新しいわらじか新しい足半(あしなか)にはきかえよ。
鉄砲の者は火縄を1尺5寸(約50cm)に切って5本持ち、それぞれに火を点じて逆さまに下げよ」
これは合戦直前の指令です。
その辺に敵がいると聞いてはいないから、皆不審に思ったことでしょう。
桂川を渡って、また命令が下る。
「今日から殿様が天下様におなりになることになった。下々草履とり以下に至るまで勇みよろこべい。
侍どもは十分に働いてくれるよう頼むぞ。もし本人討死の節は、兄弟や子ある者は必ずそれに跡目を
立てさせて遣わす。しっかりと働けい。身を立つべき好機会であるぞ!」
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