島津義弘の関ヶ原 その172
『必死は必生につながる その8』
自陣内に戻っても、いっこうに震えは止まらない。
軍使の八十島は息を整え、それから小走りに本営へと向かった。
三成陣跡で遊ぶpiglet

待ちかねている三成への復命を、八十島は巧みにすりかえて申し述べた。
「島津の見聞せまく。戦況も見えず、軍使の話を聞く耳すらもちませぬ。惟新公への取次もはかどらず、
兵が抜刀して、追い立てられました」
「なんと無礼な・・・」
「田舎武士ゆえ大戦の気にのまれ、われも見失っておるかと存ずる」
平常心を失っているのは、使番の八十島自身であった。
そして、将の三成も腰が軽すぎた。
「わしが行く」
目の前の戦いが一進一退の膠着状態とはいえ、謀将が自陣を離れて使番になったのです。
「何を思うぞ、島津義弘」
鞍上で低くつぶやく。
応えはない。
ランキングに参加しています

いつもありがとうございます。

<参考文献:島津義弘(加野厚志・Wikipedia>
自陣内に戻っても、いっこうに震えは止まらない。
軍使の八十島は息を整え、それから小走りに本営へと向かった。
三成陣跡で遊ぶpiglet

待ちかねている三成への復命を、八十島は巧みにすりかえて申し述べた。
「島津の見聞せまく。戦況も見えず、軍使の話を聞く耳すらもちませぬ。惟新公への取次もはかどらず、
兵が抜刀して、追い立てられました」
「なんと無礼な・・・」
「田舎武士ゆえ大戦の気にのまれ、われも見失っておるかと存ずる」
平常心を失っているのは、使番の八十島自身であった。
そして、将の三成も腰が軽すぎた。
「わしが行く」
目の前の戦いが一進一退の膠着状態とはいえ、謀将が自陣を離れて使番になったのです。
「何を思うぞ、島津義弘」
鞍上で低くつぶやく。
応えはない。
ランキングに参加しています

いつもありがとうございます。

<参考文献:島津義弘(加野厚志・Wikipedia>
- 関連記事
-
- 島津義弘の関ヶ原 その174 (2021/09/27)
- 島津義弘の関ヶ原 その173 (2021/09/26)
- 島津義弘の関ヶ原 その172 (2021/09/25)
- 島津義弘の関ヶ原 その171 (2021/09/24)
- 島津義弘の関ヶ原 その170 (2021/09/23)
スポンサーサイト