島津義弘の関ヶ原 その282
『武士の意気地を見るべし その28』
「チェストーッ、チェストーッ!」
薩人は天をつくばかりの雄叫びをあげた。
かまわず人群れに突入した。
家康本陣と島津隊

視界の中に膨大な軍勢が波打っていた。四方はすべて敵兵であった。
先鋒はとくに損傷が烈しくすり切れ、50人足らずとなっていた。
義弘の本隊と合わせても、島津軍団の総数は300人に満たない。
大薩摩の長は、とうに死の真境こえている。
棲愴な笑みを頬に刻んで叱咤した。
「あの金扇を斬り落とせ!」
「任せてもんせ、刳(く)り貫きもす!」
乱れた隊伍を固めなおし、欠けた矢先で3万の人垣へズンッと突き刺さった。
間近に銃弾がとびかい、刃が嚙み合って、島津兵の血肉が裂けた。
それでもねじ込むように前に出る。
300の島津隊は、傍若無人にも3万の堅陣を芽抜こうとした。
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いつもありがとうございます。

<参考文献:島津義弘(加野厚志・Wikipedia>
「チェストーッ、チェストーッ!」
薩人は天をつくばかりの雄叫びをあげた。
かまわず人群れに突入した。
家康本陣と島津隊

視界の中に膨大な軍勢が波打っていた。四方はすべて敵兵であった。
先鋒はとくに損傷が烈しくすり切れ、50人足らずとなっていた。
義弘の本隊と合わせても、島津軍団の総数は300人に満たない。
大薩摩の長は、とうに死の真境こえている。
棲愴な笑みを頬に刻んで叱咤した。
「あの金扇を斬り落とせ!」
「任せてもんせ、刳(く)り貫きもす!」
乱れた隊伍を固めなおし、欠けた矢先で3万の人垣へズンッと突き刺さった。
間近に銃弾がとびかい、刃が嚙み合って、島津兵の血肉が裂けた。
それでもねじ込むように前に出る。
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<参考文献:島津義弘(加野厚志・Wikipedia>
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