加藤清正 Ⅱ その48
『佐吉(三成)を召し抱える』
「わしは男色は好かぬ。おなごは大好きでござるがな」
と、秀吉は笑って
「知恵が優れているというのなら、そでだけでよろしい。連れてござれよ。会うて見よう」
和尚さんは帰って、日を改めて佐吉(三成)を連れて来た。
なるほど、美しく凛々しい青年だ。
三献の茶像(長浜駅前)

なかなかオシャレだと見えて着ているものや、大小の好みも、垢ぬけてさわやかだ。行儀作法もよく
心得ている。正確でありながら、悠揚としてせまらない趣がある。
「汝(われ)はいくつじゃ」
「18でございます」
落ち着いて、はっきり答える。
萎縮しているような点はさらさらない。肝もかなりのものと思われた。
秀吉は、しばらく問答した後
「気に入った。知行200石つかわす。働きの次第ではなんぼでも加増をつかわす。励め」
と言って、召し抱えることにした後、虎之介(清正)を呼んで、2人を引き合わせた。
「やあ、お虎、これは石田佐吉とて、当国の者だ。たった今召し抱えて、側近く召し使うことにし
た。佐吉、これは加藤虎之介とて、おれとふた従弟にあたる者だ。そちと違って、武辺一方のがさつ
者じゃが、おれの血がつづいている者であり、気に入っている者でもある。両人ともに同じ年頃じゃ。
仲良くいたすよう」
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いつもありがとうございます。

<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
「わしは男色は好かぬ。おなごは大好きでござるがな」
と、秀吉は笑って
「知恵が優れているというのなら、そでだけでよろしい。連れてござれよ。会うて見よう」
和尚さんは帰って、日を改めて佐吉(三成)を連れて来た。
なるほど、美しく凛々しい青年だ。
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なかなかオシャレだと見えて着ているものや、大小の好みも、垢ぬけてさわやかだ。行儀作法もよく
心得ている。正確でありながら、悠揚としてせまらない趣がある。
「汝(われ)はいくつじゃ」
「18でございます」
落ち着いて、はっきり答える。
萎縮しているような点はさらさらない。肝もかなりのものと思われた。
秀吉は、しばらく問答した後
「気に入った。知行200石つかわす。働きの次第ではなんぼでも加増をつかわす。励め」
と言って、召し抱えることにした後、虎之介(清正)を呼んで、2人を引き合わせた。
「やあ、お虎、これは石田佐吉とて、当国の者だ。たった今召し抱えて、側近く召し使うことにし
た。佐吉、これは加藤虎之介とて、おれとふた従弟にあたる者だ。そちと違って、武辺一方のがさつ
者じゃが、おれの血がつづいている者であり、気に入っている者でもある。両人ともに同じ年頃じゃ。
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<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
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