加藤清正 Ⅱ その84
『尼子勝久に進言』
上月城の救援を断念して引き払った織田家の諸勢は、先ず神吉城を攻めて陥れ、次に志方城を陥
れた。
月山富田城の鹿之助公

これで三木城の羽翼となる城はひとつもなくなったので、ひしひしと三木城の周りに詰め寄った。
その頃、上月城が開城されたという報告が、探索の者からもたらされた。
探索の者の報告は、次のとおりであった。
鹿之助は尼子勝久の前に出て
「今はもう後詰めの衆が引き上げてしまったばかりか、糧食も尽き果て、城を守るべき手だてはなく
なりました。全軍城を枕に討死にするは、武士として見事でございますが、士卒はふびんであります。
いのちを助けてやりたくござる。つきましては、申し上げにくいことながら、ご自害あって士卒のい
のちに代わっていただきとうござる。拙者もお供申すべきでござるが、思うところがありますれば、
しばらく命を貸しておいてくだされとうござる」
と、涙ながらに言った。
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いつもありがとうございます。

<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
上月城の救援を断念して引き払った織田家の諸勢は、先ず神吉城を攻めて陥れ、次に志方城を陥
れた。
月山富田城の鹿之助公

これで三木城の羽翼となる城はひとつもなくなったので、ひしひしと三木城の周りに詰め寄った。
その頃、上月城が開城されたという報告が、探索の者からもたらされた。
探索の者の報告は、次のとおりであった。
鹿之助は尼子勝久の前に出て
「今はもう後詰めの衆が引き上げてしまったばかりか、糧食も尽き果て、城を守るべき手だてはなく
なりました。全軍城を枕に討死にするは、武士として見事でございますが、士卒はふびんであります。
いのちを助けてやりたくござる。つきましては、申し上げにくいことながら、ご自害あって士卒のい
のちに代わっていただきとうござる。拙者もお供申すべきでござるが、思うところがありますれば、
しばらく命を貸しておいてくだされとうござる」
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