加藤清正 Ⅱ その88
『鹿之助暗殺される』
西に連れて行かれることになった鹿之助は、かねて秘蔵する『大海』と名づける茶入を袋に入れて
首にかけ、荒見国行の刀をさし、最初に信長にお目見した時に貰った四十里栗毛と名づける駿馬に
跨って上月を出発して、備中甲部川の阿井の渡しまで来ると、護送の者どもは、先ず鹿之助の郎党
2人を船で渡した。
山中鹿之助の墓所(阿井の渡し・岡山県高梁市)

鹿之助が河原の石に腰かけて、その船が帰って来るのを待っていると、忽ち後ろから斬りつけられ
た。
「これは!」
鹿之助は川に飛び込んだ。
すると、護送のひとりが飛び込んできて、その足をおさえた。
頭をおさえた者が、すばやく刀を引き抜き、首をかいた。
こうして行年34歳で、死んだというのです。
鹿之助の志はついにわからなくなった。
『人はそうあとあとのことまでを考えてはいかぬものだ。その場その場、その日その日をいさぎよく
することを考えねば、志はついに埋もれ、悔いを長く残すことになる。鹿之助殿ほどのお人が・・・』
虎之介はほろほろと泣いたという。
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いつもありがとうございます。

<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
西に連れて行かれることになった鹿之助は、かねて秘蔵する『大海』と名づける茶入を袋に入れて
首にかけ、荒見国行の刀をさし、最初に信長にお目見した時に貰った四十里栗毛と名づける駿馬に
跨って上月を出発して、備中甲部川の阿井の渡しまで来ると、護送の者どもは、先ず鹿之助の郎党
2人を船で渡した。
山中鹿之助の墓所(阿井の渡し・岡山県高梁市)

鹿之助が河原の石に腰かけて、その船が帰って来るのを待っていると、忽ち後ろから斬りつけられ
た。
「これは!」
鹿之助は川に飛び込んだ。
すると、護送のひとりが飛び込んできて、その足をおさえた。
頭をおさえた者が、すばやく刀を引き抜き、首をかいた。
こうして行年34歳で、死んだというのです。
鹿之助の志はついにわからなくなった。
『人はそうあとあとのことまでを考えてはいかぬものだ。その場その場、その日その日をいさぎよく
することを考えねば、志はついに埋もれ、悔いを長く残すことになる。鹿之助殿ほどのお人が・・・』
虎之介はほろほろと泣いたという。
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<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
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