加藤清正 Ⅱ その96
『彦右衛門正勝との再会』
その後、20年近く経って、秀吉は奇計をもって、秀吉のため墨俣城を築き、この城代を命ぜられ
た。
城は木曽川の対岸にあり、たえず美濃の斎藤勢の襲撃を受ける恐れがある。
蜂須賀正勝と藤吉郎(秀吉)の出会いの絵

秀吉は蜂須賀村に行き、昔の小六正勝、今は蜂須賀正勝に会って、昔の礼を言い、今の自分の身分
を名のり、力を貸してもらいたいと頼んだ。
「よかろう。袖をすり合うも他生の縁という。そなたがこの家に居たのは、そう長い間ではなかっ
たが、そなたのことは奇妙に心の底に残っている。こうして20年にもなって、えらい出世して訪
ねて来てくれて、わしの力を借りたいと言ってくれるとは、浅からぬ縁(えにし)があればこその
ことと思う。そのうえ、わしはこの年まで一生懸命働いても、いっこうに芽が出ず、昔ながらに蜂
須賀一郷の主であいかないが、おことはあの身分から、20年の間に、織田信長殿の家中で、一城
をあずかる身分となった。よっぽど運に恵まれている生まれつきに相違ない。わしはおことについて、
運を開こうと思う。よろしゅうこちらから頼みます」
と、正勝はすぐ承知した。
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いつもありがとうございます。

<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
その後、20年近く経って、秀吉は奇計をもって、秀吉のため墨俣城を築き、この城代を命ぜられ
た。
城は木曽川の対岸にあり、たえず美濃の斎藤勢の襲撃を受ける恐れがある。
蜂須賀正勝と藤吉郎(秀吉)の出会いの絵

秀吉は蜂須賀村に行き、昔の小六正勝、今は蜂須賀正勝に会って、昔の礼を言い、今の自分の身分
を名のり、力を貸してもらいたいと頼んだ。
「よかろう。袖をすり合うも他生の縁という。そなたがこの家に居たのは、そう長い間ではなかっ
たが、そなたのことは奇妙に心の底に残っている。こうして20年にもなって、えらい出世して訪
ねて来てくれて、わしの力を借りたいと言ってくれるとは、浅からぬ縁(えにし)があればこその
ことと思う。そのうえ、わしはこの年まで一生懸命働いても、いっこうに芽が出ず、昔ながらに蜂
須賀一郷の主であいかないが、おことはあの身分から、20年の間に、織田信長殿の家中で、一城
をあずかる身分となった。よっぽど運に恵まれている生まれつきに相違ない。わしはおことについて、
運を開こうと思う。よろしゅうこちらから頼みます」
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