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加藤清正 Ⅱ その151

『清正の突入』

近藤は身長6尺余、仁王像のような敵が、寸伸びの豪刀を八双に構えて走り寄って来るのを見て、

ハッとした。

槍を構えようとしたが、その時にはもう清正はつい間近かにせまっていた。

清正くまモン
ka.加藤清正くまモン

「おのれ、何者?」

「羽柴が家来、加藤虎之介!」

と叫んで、刀を振り下ろしざまに、渾身の力をこめて、突き出すのが速かったか。

清正の豪刀は、近藤の馬の鞍の前輪をぐんと貫き、近藤の下腹部を背中まで突き通した。

たまるものはなかった。

しばらくの間、半助は馬上に縫い留められていたが、清正が刀を引き抜くと、まっさかさまに転落

した。

近藤の脇をつとめていた家来らは、咄嗟のことで、驚きあわてて、パッと散った。

清正は近藤におどりかかり、首をかき切り、腰につけた首袋に入れた。

その間に、近藤の家来どもは気を取り直して、駆け寄りざまに、清正を斬ろうとしたが、これは清

正が連れて来た徒の者どもが駆けつけて斬り倒した。

清正はなお戦の様子をよく見てから、走り帰った。

「明智勢なかなかよく戦いまして、味方苦戦でございます。しかしながら、つづく勢のない明智勢

でありますれば、夕立時の溝川と同じで、間もなく崩れ立つことと存じます」

と、報告した後、近藤の首を出して実検にそなえた。

秀吉は上機嫌となり、即座に自ら筆をとって

『武勇を心掛くる者、手柄者とは汝たるべし。いよいよ武功をつくすべし』

と感状をしたためて渡し、なお当座の褒美として差していた脇差をくれた。



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robin 20230524




<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
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