fc2ブログ

加藤清正 Ⅱ その154

『おれが殿様が弔合戦をなさった』

光秀の首を土民らが探し出して、秀吉方に届け出た。

秀吉は、翌々日、三井寺近くでこの話を聞き、取り寄せた。

大阪城二ノ丸の秀吉
to.豊臣秀吉 002

秀吉は百姓らに大枚の金子を与えて立ち去らせた後、首実検をしたが、しばらく凝視した後、ついて

いた細い杖をふりあげ

「日向よ、あろうことか、逆心を起こして、まさしき主君を討ち葬った天罰ぞ!今こそ思い知れい!」

と、ののしりながら、杖で打ち叩いた。

これは弔合戦の際の儀式であり、しなければならないことになっていたのです。

清正は側にいて、ずっと凝視していた。

善悪の応報の迅速さを最も痛切に感じていたのです。

秀吉が主君・信長の弔合戦をおこし、見事に成し遂げたことは、秀吉の喜びはいうまでもないが、家

臣らにとっても、また非常な喜びであった。

清正や福島市松(正則)のような、子飼いで、しかも血がつながっている者にとっては、言いようも

ないほどの嬉しさであった。

「右大臣様のご家来衆数あるなかで、おれが殿様が弔合戦をなさった。誰でもない、おれが殿さまだ」

と、肩を張りたい思いであり

「だから、きっとおれが殿様が右大臣様の後をついで、天下人になりなさるであろう」

とも思い、さらに

「そうなれば、おれも励みさえすれば、大名になれるぞ」

と、目もくらむような気持になった。

清正にも、市松にも、よろこびに緊張した日が続いた。



ランキングに参加しています
にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へ

いつもありがとうございます。


robin 20230527




<参考文献:海音寺潮五郎「加藤清正」>
関連記事
スポンサーサイト



テーマ : 歴史雑学
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

piglet01

Author:piglet01
Piglet01のブログへようこそ!!


平成26年6月30日に100城を制覇しました!

城郭ライトアップの撮影にチャレンジします。


「日本百名城塗りつぶし同好会」にも参加しています。

会員番号:908です。

日本百名城塗りつぶし同好会

パーソナルURLは、「リンク」の「日本百名城塗りつぶし同好会」からお願いします。


*参考文献:日本100名城公式ガイドブック、Wikipedia



ランキングに参加しています

人気ブログランキングへ







20140816 郡上おどり 002-1
I LOVE 郡上おどり













最新記事
カテゴリ
FC2カウンター
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム