お江 (22) 『別れた夫・一成のその後』
『別れた夫・一成のその後』
お江が夫との仲を裂かれた年に、徳川家康がやっと秀吉の服従している。
小牧・長久手の戦いで、織田信雄が秀吉と単独講和したため、家康は大義名分を無くし秀吉と和睦する。
家康は関白となった秀吉に臣下の礼を取ることを拒み続けた。
秀吉は必死になって懐柔し、妹の旭を家康の正室に送り込み、さらに実母まで人質に差し出す。さすが、
家康も潮時とばかりに10月になってようやく大坂城に出向き服従した。
これで秀吉は、小牧・長久手の戦いで敗れた負い目をすべて清算し、喉のつかえを取り除きます。
お江を大坂城に止め、実質上離婚させると、秀吉は残酷にも佐治一成とお江の縁談を取り持った信雄
に大野城を攻めるように厳命する。
この時、一成は信雄が攻めてくるとは夢にも思わず、耳を疑った。
それが事実と知って唖然とする。家康に対する支援は信雄の頼みであったし、何という節操のなさに
一成は呆れた。
お江を奪われ、信雄の裏切りに18歳の若い城主・一成は怒りに震えた。
6万石の自分と、50万石をはるかに超えた信雄との力の差は歴然としていた。一成は大野城を立ち退き、
船で対岸の伊勢に逃げ、かつてお江らが厄介になった安濃津城の織田信包を頼った。
ここにお江を妻にしたことが災いして、知多半島に君臨した大野城の佐治氏は4代目の一成をもって滅亡
した。
尾張大野城 安濃津城

一成が頼った信包も、また秀吉に嫌われた。秀吉は織田家の女に執心する一方で、織田家の男たち
を排除していく。
信雄も失脚するが、信包も冷遇され伊勢の地を追われ剃髪して自らをあざ笑うように老犬斎と号して、
秀吉の御伽衆になり下がった。
一方、一成りも3度目の結婚を45歳の頃にしている。妻となったのは信長の末娘・お振で、不幸を背負
っての再婚であった。
信長が生きていれば、こんな惨めな結婚はありえなかったのでしょう。
かつての織田家の栄光は微塵もなく、わずかな食い扶持で、一成・お振夫婦は赤貧に近い生活に甘ん
じるしかなかった。
一度は夫婦の契りを持ち、強引に裂かれた妻・お江が、女性として望みえる最高の地位まで上りつめて
いくのを、一成は我が身と引き換え、どのような思いで見守ったのでしょうか。

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応援ありがとうございました
『戦国クイズ』
≪昨日の解答≫
昨日の正解: 丹波亀山城
秀勝の居城は、かつて明智光秀の居城であった丹波亀山城でした。
亀山城は霧で有名な盆地でしたが、京都に近くお江にとって決して悪い場所ではなかった
ようです。
≪本日の問題≫
<参考文献:お江(楠戸義昭薯)>
お江が夫との仲を裂かれた年に、徳川家康がやっと秀吉の服従している。
小牧・長久手の戦いで、織田信雄が秀吉と単独講和したため、家康は大義名分を無くし秀吉と和睦する。
家康は関白となった秀吉に臣下の礼を取ることを拒み続けた。
秀吉は必死になって懐柔し、妹の旭を家康の正室に送り込み、さらに実母まで人質に差し出す。さすが、
家康も潮時とばかりに10月になってようやく大坂城に出向き服従した。
これで秀吉は、小牧・長久手の戦いで敗れた負い目をすべて清算し、喉のつかえを取り除きます。
お江を大坂城に止め、実質上離婚させると、秀吉は残酷にも佐治一成とお江の縁談を取り持った信雄
に大野城を攻めるように厳命する。
この時、一成は信雄が攻めてくるとは夢にも思わず、耳を疑った。
それが事実と知って唖然とする。家康に対する支援は信雄の頼みであったし、何という節操のなさに
一成は呆れた。
お江を奪われ、信雄の裏切りに18歳の若い城主・一成は怒りに震えた。
6万石の自分と、50万石をはるかに超えた信雄との力の差は歴然としていた。一成は大野城を立ち退き、
船で対岸の伊勢に逃げ、かつてお江らが厄介になった安濃津城の織田信包を頼った。
ここにお江を妻にしたことが災いして、知多半島に君臨した大野城の佐治氏は4代目の一成をもって滅亡
した。
尾張大野城 安濃津城


一成が頼った信包も、また秀吉に嫌われた。秀吉は織田家の女に執心する一方で、織田家の男たち
を排除していく。
信雄も失脚するが、信包も冷遇され伊勢の地を追われ剃髪して自らをあざ笑うように老犬斎と号して、
秀吉の御伽衆になり下がった。
一方、一成りも3度目の結婚を45歳の頃にしている。妻となったのは信長の末娘・お振で、不幸を背負
っての再婚であった。
信長が生きていれば、こんな惨めな結婚はありえなかったのでしょう。
かつての織田家の栄光は微塵もなく、わずかな食い扶持で、一成・お振夫婦は赤貧に近い生活に甘ん
じるしかなかった。
一度は夫婦の契りを持ち、強引に裂かれた妻・お江が、女性として望みえる最高の地位まで上りつめて
いくのを、一成は我が身と引き換え、どのような思いで見守ったのでしょうか。

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≪昨日の解答≫
昨日の正解: 丹波亀山城
秀勝の居城は、かつて明智光秀の居城であった丹波亀山城でした。
亀山城は霧で有名な盆地でしたが、京都に近くお江にとって決して悪い場所ではなかった
ようです。
≪本日の問題≫
<参考文献:お江(楠戸義昭薯)>
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コメントの投稿
No title
こんにちは。
歴史は全然わからないけど、
一成せつないですね。
今年は少し歴史の勉強しようと思います~~
歴史は全然わからないけど、
一成せつないですね。
今年は少し歴史の勉強しようと思います~~
みゅった さま
> こんにちは。
>
> 歴史は全然わからないけど、
> 一成せつないですね。
>
> 今年は少し歴史の勉強しようと思います~~
一成さんは、若すぎますから切ないものがありますね。
歴史は、勉強していません。
城を廻っても、その後にブログを書くため資料を広げる
程度ですよ~~。^^
>
> 歴史は全然わからないけど、
> 一成せつないですね。
>
> 今年は少し歴史の勉強しようと思います~~
一成さんは、若すぎますから切ないものがありますね。
歴史は、勉強していません。
城を廻っても、その後にブログを書くため資料を広げる
程度ですよ~~。^^
No title
こんにちは、いつも楽しく読ませて頂いています。
文才素晴らしいですね。
一成の母・お犬の方と、一成の弟・織田熊助(中川秀休)もぜひ書いてほしい~。
文才素晴らしいですね。
一成の母・お犬の方と、一成の弟・織田熊助(中川秀休)もぜひ書いてほしい~。
ヨクロー さま
> こんにちは、いつも楽しく読ませて頂いています。
> 文才素晴らしいですね。
> 一成の母・お犬の方と、一成の弟・織田熊助(中川秀休)もぜひ書いてほしい~。
コメントありがとうございます。
お犬の方は、信長の妹ですよね! 熊助さんは確かキリシタンだったかと思いますが、
勉強不足で良く分かりません。
尾張は歴史の宝庫で、羨ましいかぎりです。
> 文才素晴らしいですね。
> 一成の母・お犬の方と、一成の弟・織田熊助(中川秀休)もぜひ書いてほしい~。
コメントありがとうございます。
お犬の方は、信長の妹ですよね! 熊助さんは確かキリシタンだったかと思いますが、
勉強不足で良く分かりません。
尾張は歴史の宝庫で、羨ましいかぎりです。